Etna Rosso DOC "Pistus" / I Custodi
エトナ ロッソ DOC “ピストゥス” / イ クストーディ
【タイプ】赤ワイン
【ブドウ品種】ネレッロ マスカレーゼ主体、ネレッロ カプッチョ
【ヴィンテージ】2024年
【産地】イタリア・シチリア州
【容量】750ml
【生産者コメント】外観は、親しみやすいルビーの輝きを帯びた赤色。香りはフレッシュな果実やフローラルなアロマを放ちます。味わいはフルーティーで調和が取れており、心地よいタンニンと、持続性のある良好な酸味を備えています。「ピストゥス(Pistus)」とは「踏まれた(足で潰された)=ピジャージュ」の意味であり、エトナの人々の労働の真の象徴です。かつてムンターニャ(エトナ山)の農民たちが日々の自家消費のために造っていたものと同じスタイルのワインであり、そうした男たちの気質である「無骨、野生味、尖った個性、自発性(素朴さ)」という刻印が刻まれています。
【醸造方法等】ネレッロ・マスカレーゼを80%と、ネレッロ・カプッチョを使用しています。畑は、エトナ山の北斜面にあるカスティリオーネ・ディ・シチリアの「コントラーダ・モガナッツィ・カンティーナ(Contrada Moganazzi Cantina)」に位置しています。栽培タイプは垣根仕立てで、植樹密度は1ヘクタールあたり7,000本となっており、現在はアルベレッロ(株仕立て)への転換を進めています。ブドウの木の樹齢は10年です。畑の標高は海抜700mに位置しています。土壌タイプは砂質および火山性で、ミネラル分を非常に豊富に含み、弱酸性の反応を示します。ブドウはすべて手作業で収穫され、丁寧に選別されたのち、健全な(傷のない)状態でワイナリーに運ぶために底の浅い通い箱に並べられます。ワイナリー到着後に除梗・破砕され、特別なステンレスタンクで約1週間のマセラシオンを行います。熟成期間は、ステンレスタンクで約9ヶ月間、さらに瓶内で最低6ヶ月間。生産本数は約30,000本。
【生産者】イ クストーディ
【生産者について】イ・クストーディは、マリオ・パオルーツィが2007年にエトナ山で立ち上げたワ イナリーである。マリオはエトナ山麓の港町カターニャの生まれ。父は製薬会社を営み、マリオ自身も家業に携わる一方で、機械製造会社も経営していた。若いころからエトナのワイン、とりわけネレッロ・マスカレーゼから生まれる赤ワインに強く惹かれ、何らかの形でワインビジネスに関わりたいと考えていた。そんな折、2000年に サルヴォ・フォーティと出会う。当時サルヴォは、イギリスの歌手ミック・ハックネ ルからワイン造りを任され、ワイナリー「イル・カンタンテ」を立ち上げようとして いた。ミックがシチリア人の共同出資者を必要としていたことから、マリオはそのプロジェクトに共同出資者として参加することになった。しかし、醸造はサルヴォが担 い、ワインはミックのものという構図のなかで、マリオは次第に、自らのワイナリーを設立する意思を固めていった。そして「イル・カンタンテ」が 2004年ヴィンテッジを最後に廃業したことに伴い、マリオはそのブドウ畑を引き継ぐことになった。ワイナリー名の「イ・クストーディ」 は、「守り主」を意味する。設立当初には 「なんとも大げさな、どちらかといえば尊大な名前を選んだものだ」という声も聞かれた。しかし、その名をつけずにはいられないほどの出来事があった。
エトナの北斜面のコントラーダ(エトナで用いられる畑の歴史的な区域名)の 1 つ、フェウド・ディ・メッツォには、樹齢200年を超えるブドウ樹が植わる小区画があった。マリオはその畑の所有者に何度も購入を申し入れていたが、聞き入れられなかった。年配の兄弟が所有する小区画だったが、ある日突然、その半分の樹が抜かれてしまったのである。「樹齢200年を超える樹を抜いてしまうなんて、なんという取り返しのつかないことを」。マリオの嘆きは、どんなことがあっても残された樹を自分が守るのだという固い意志へと変わり、ワイナリー名を「イ・クストーディ」と するに至った。その後マリオは、残された半分の畑を買い取ることができ、それ以降、 その畑のブドウを原料にキュヴェ・セクラーレの生産を始めた。
畑と栽培について
マリオはエトナ山で育ったわけでは なく、ましてやブドウ畑に囲まれて育ったわけでもない。しかし、醸造家サルヴォ・フォーティの考えに深く共感し、伝 統的で質の高いワインを造るためには、 栽培はアルベレッロ仕立てであるべきだと強く信じている。その信念は徹底しており、購入した重要な区画にグイヨー仕立てのネレッロ・マスカレーゼが植えられていた際には、アルベレッロ仕立てへと植え替えてしまった。これもまた、マリオの人となりをよく表すエピソードである。アル ベレッロ仕立ての畑では、1haあたりおよそ 7000〜9000本にも達する高密植でブドウが植えられている。
2025年時点で、北斜面に10.5ha、東斜面に9haの畑を所有。北斜面にはモガナッツィとフェウド・ディ・メッツォ、東斜面にはタヴェルナ、メルトリ、カゼッレのコントラーダがあり、自社ブドウのみを原料としてワインを生産している。通常、白品種は東斜面に植えられることが多いが、イ・クストーディでは北斜面のモガナッツィに3ha の白品種、すなわちカッリカンテ、グレカニコ、カタラット、ミネッラを所有している。 北斜面は比較的乾燥しており、日照も強いが、標高が高いため過度に暑くなりにく い。
一方、白品種が多く植わる東斜面はイオニア海の影響を受け、湿潤で雨が多く、 温度変化の穏やかなエリアとなっている。
セラーと醸造について
ワイナリー設立当初は、ランダッツォの醸造所を間借りしてワイン造りを行っていたが、2016年 にモガナッツィ、ランダッツォから東へ約10km の場所に、自社の醸造所を建設した。建物は近代 的で機能的な造りで、十分なスペースにステンレスタンクが整然と並んでいる。間借りの醸造所で は、スペースを確保するために不必要なワインの移動を強いられることも多かった。自社セラーと なってからは、ワインの品質が安定して向上していることを、マリオ自身も実感している。
また、ワインの生産工程の大部分は、自前の太陽光発電によって賄われている。 「風の塔」、すなわちウィンドキャッチャーを用いたシステムにより、自然の空気を活用し、追加のエネルギー消費を抑えながら、ワイナリー内の温度を最適に保つ。
白ワインはすべて、発酵、熟成ともにステンレスタンクで実施。赤ワインも、エントリーレベルのピストゥスはステンレスタンクで熟成される。赤の上級キュヴェ であるエトネウスとセクラーレのみ、樽熟成を行っている。ネレッロ・マスカレーゼ主体の赤ワインと、カッリカンテ主体の白ワインは、それぞれ3種類ずつ生産さ れている。各ワインのコンセプト、醸造手法、熟成期間は明瞭に分かれており、上級になるにつれて瓶熟成期間も長くなるため、いずれのワインにも香りと味わいに落ち着きがある。
2024 エトナ ロッソ DOC “ピストゥス” / イ クストーディ
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