Etna Rosso DOC "Alberello" / SRC
エトナ ロッソ DOC “アルベレッロ” / エッセルチ
【タイプ】赤ワイン
【ブドウ品種】ネレッロ マスカレーゼ
【ヴィンテージ】2019年
【産地】イタリア・シチリア州
【容量】750ml
【店主コメント】リヴァッジと比較すると明るい色調。小さな赤い果実やブラッドオレンジを感じさせる香り。複雑さと深み、密度は別次元で、立体感があり酸も美しい。タンニンの質もよく、エレガントで、熟成ポテンシャルも存分に感じさせます。筋肉質な部分はセッラルンガ・ダルバのネッビオーロに共通するところが。2019ヴィンテージからは新しい木製の発酵槽で発酵が行われる予定。
【醸造方法等】ソリッキアータのコントラーダ『クラサ』の単一畑。標高は650m。樹齢100年にもおよぶプレフィロキセラの樹。土壌は他の畑よりやわらかく、岩が少ない。樹齢の高さから収量は自然と低くなります。発酵後、セメントタンクで熟成。
【生産者】エッセルチ
【生産者について】『歴史』 2013年ヴィンテージのわずか3000本のワインから、SRC(エッセルチ)の歴史は始まりました。少しずつ生産量が増えているとはいうものの、2017 ヴィンテージでも13,000本にしか届きません。生産量を毎年少しずつ増やす計画はありますが、 職人的な仕事を続けるということに変わりはありません。 当主の Rosario Parasiliti ロザリオ・パラシリティ(愛称はローリ)は建築関係の企業を営む三代目でしたが、幼少のころから 常に食卓にのぼっていたワインへの情熱がどうしても捨てきれず、2013 年にクラサにある畑を購入、ワイン作りをはじめます。 その際、アドヴァイスをもらったのが、カンティーナの建設でも関わりのあったフランク・コルネリッセン氏です。「いかに畑での 仕事が大切なのか」 「ワイナリーの中では、できる限り介入を少なくするべき」 など、言葉にしてしまってはシンプルかもしれませんが、実際にはもっと精神的なところも含めて、大きく影響を受けています。『畑・栽培』最初に購入したのは、ソリッキアータのクラサというコントラーダにある畑。非常に古い畑で、ネレッロ・マスカレ ーゼとネレッロ・カップッチョが、アルベレッロ仕立てで栽培されています。その脇には栗の樹が生えていて、アルベレッロの 支柱にも栗の樹が使われています。同じエリアにある畑でも、どのくらい前からその畑にブドウが植えられていたかというのは 非常に重要な情報で、どれだけごろごろとした溶岩の比率が高いのかが、その指標のひとつになります。その後購入した畑 のなかには、畑を取り巻く環境としては素晴らしくても、1970 年台に垣根仕立てに近い形に変えられてしまったものも含まれ ています。どうやら、アルベレッロ仕立ての素晴らしい畑を探すのは、そう簡単ではないようです。 SRC では、ソリッキアータのクラサ以外にも様々なエリアに畑を所有しています。2017 年から醸造を行っているランダッツォ のカルデラーラにあるワイナリーの前の畑には、新しく植樹を行った一角があります。その畑の植樹密度は高く、すべてアル ベレッロで、ローリの理想とする畑の実現に向けて、新たな一歩を踏み出しています。 SRC の動きはそれだけにとどまりません。山を分け入ってたどり着いた一角に、突如あらわれたテラス式の畑。昔ブドウが植 えられていたことをあわらすものです。栽培家の減少とともにブドウが引き抜かれ林になっていましたが、それらを伐採、再び ブドウ畑にしようと、土地そのものを購入しています。時間のかかるプロジェクトですが、これは SRC のワイナリー単体にとどまらず、エトナ全体でのブドウ畑の復興にむけ、一石を投じています。栽培には、創業当初から有機農法を採用しています。『セラー』2016 ヴィンテージまでは仮のセラーでしたが、2017 からはカルデラーラにつくった新しいセラーで醸造を行ってい ます。非常にシンプルなつくりで、発酵にはサイズ違いの樹脂 のタンク、熟成にはコンクリートタンクや大樽、トノーをキュヴェ ごとに使い分けています。樹脂タンクは小さなサイズものもが 多く、細かい区画ごとの醸造を可能にしています。酵母の添加 も行わず、ワイナリーでの作業は最小限にとどめています。
2019 エトナ ロッソ DOC “アルベレッロ” / エッセルチ
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