Langhe DOC "Grign" / Cavallotto
ランゲ DOC “グリン” / カヴァロット
【タイプ】赤ワイン【ブドウ品種】グリニョリーノ
【ヴィンテージ】2023年
【産地】イタリア・ピエモンテ州
【容量】750ml
【コメント】2023年ヴィンテージの生産量は僅か666本!
淡い色でピンクに近い、中程度の軽い構造。赤い果実、特にチェリーとイチゴの複雑な香りと、スパイシーでハーブのような豊かな香り。特別なヴィンテージでは中程度の熟成適性がありますが、一般的には遅くとも 3 年以内に試飲することをお勧めします。カヴァロットのHPより。
【醸造方法等】0.12ヘクタールの小さな区画。1974年に植樹(522本)。西、南西向き、標高は300m。除梗し、温度管理されたステンレスタンクで発酵、3~5日間ピジャージュを行いながらマセラシオン。スラヴォニア産大樽で12~15ヶ月間熟成。ボトリング後は最低6ヶ月間を瓶熟を経て出荷。本当はネッビオーロを植えてバローロを生産できる良い畑に、土地の伝統を守るために植えているグリニョリーノ。利益のためだけにワイン造りをしているのではなく、伝統を重んじて未来につなげていくアルフィオ達らしいキュヴェ。
【生産者】カヴァロット
【生産者について】カヴァロットは1928年から5世代続く老舗。古典バローロと言えば必ず名前が挙がります。現在は栽培担当の「アルフィオ」を中心に3人兄弟によって運営されています。
『バローロの畑は相続で細分化されているが、僕等のブリッコ ボスキスは、ほぼ僕達だけの所有。他の畑の影響を受けないのでバローロで初めて有機栽培を導入できた』
1948年には現在のカンティーナが完成し、カヴァロットの名前でバローロの販売を開始。1967年には「ブリッコ ボスキス」の畑名が認められています。
『バローロの中心、カスティリオーネの中心にあるブリッコ ボスキス。地質的には2億3,000年前の漸新世に起源を持つ青色マールと粘土石灰の混合土壌』
栽培を担当する「アルフィオ」は地質学者でもあり、バローロの地質を研究しています。バローロとラ モッラは「トルニアン期」(700万年前)に起源を持ち砂質と粘土石灰の混合土壌。セッラルンガ ダルバとモンフォルテは更に古い時代の「ランギアン期」(1,300万年前)の土壌でマンガンや鉄分が多く含まれていて重たい土壌になっています。
『トルニアン期の比較的若い土壌とランギアン期の古い土壌がぶつかる場所がブリッコ ボスキス。その両方の個性を持っているので、調和のワインを産む』
このブリッコ ボスキスにはネッビオーロ、グリニョリーノ、フレイザ、バルベーラ、ドルチェット、シャルドネ、ピノ ネロが植えられていて、2種類のバローロが生まれます。
バローロ “ブリッコ ボスキス”
ENOGEA★★★
ブリッコ・ボスキス畑の葡萄のみを使用。大樽で36~42ヶ月熟成。東、南、西部。丘の上、中、下部で分けて収穫、醸造しアッサンブラージュすることでバランスを得ている。
バローロ “サン ジュゼッペ” リゼルヴァ
ENOGEA★★★★
ブリッコ・ボスキスの一部。平均樹齢61年。絶対的な威厳を持ちカスティリオーネ ファレットらしさを最大限に発揮したカスティリオーネ ファレットを代表する偉大なワイン。
バローロ “ヴィニョーロ” リゼルヴァ
ENOGEA★★★
1945、1966年に植樹された1.56haの畑でカスティリオーネを代表する畑。ブリッコ ボスキスの1つ南の丘の南西部。「モンプリヴァート」と同じ斜面。土壌はセッラルンガに近い。
バローロの平均収量は32~38hl/ha。収量は、かなり少ないですが、収量制限は、ほぼしていません。樹齢の高さと痩せた土壌の影響で収量が自然に落ちている状態。
『果実を切り捨てるのは農民として間違っているというのがカヴァロット家の考え方。グリーンハーヴェストは、ほぼ行わずに樹齢の高さと仕立てで収量を落としている』葡萄樹に適度なストレスを与える事で自然とエネルギーを持った葡萄になっていきます。その結果として自然と収量が減れば、過度な凝縮のない果汁が得られます。
『1960年代から薬品が使われていないから葡萄樹は自然と共存している。人為的に凝縮させて現代の嗜好に合わせても意味がない。僕達のワインは色調が淡くても骨格がある』
カヴァロットはバローロで最も早く有機栽培を導入した事でも知られています。1960年代、政府主導で農業の効率化が始まり農薬が全盛期の時代でした。
『当時は有機栽培の畑は1ヶ所も無かった。トリノ大学とサン ミケーレ研究所との共同研究で循環型農業を目指し完全有機栽培を導入した』
農民にとって自分達の土地は財産。それを健全に残していくことを考えての事でした。今では除草剤は勿論、殺虫剤や防カビ剤、ボルドー液さえも使用しません。
『銅も使わない。畑で使用するのは、天然の硫黄、海藻を乾燥させて水に溶かしたものやヴィネガー、蜂蜜等。ベト病も全て天然の素材で対応している』
下草はある程度まで自由に伸ばし、一定の高さまで育つと手作業で刈りとり、畑を耕すことなく放置しておく。福岡 正信氏が提唱した不耕起栽培を実践しています。
カンティーナはブリッコ ボスキスの丘の頂上部に位置し、バローロ全体を見下ろすよう。1階部分が醸造、地下部分が熟成庫となっており、30個以上のスラヴォニア産大樽が並ぶ。
『一部の大樽の注ぎ口は鹿の骨でできている。鉄にワインが触れる事が全くない。今はもう作ることはできないが60年代から使い続けているカヴァロットの歴史のよう』
醗酵は水平式ファーメンターと垂直型を併用。水平式ファーメンターは内部のローラーは1日3回転しかしないので抽出ではなく果皮を常にモストに浸しておく事が目的。
『できるだけ果皮を動かさずに長くマセラシオンする事が重要。果皮を動かさないので粗いタンニンや収斂味は抽出されないが、味わいの要素は多く得られる』
現在、彼等が力を入れているのがバローロ リゼルヴァ。若く閉じた状態でリリースされ、最良ではない状態で飲まれてしまう事が多いバローロの現状を変えたいと考えています。
『樽熟成48~60ヶ月のバローロ リゼルヴァを造っているのは5社しかない。ボトルではなく樽で熟成することで酸素がワインを育ててくれる』
バローロは最高の状態でリリースする事は難しいが、バローロ リゼルヴァであれば最高の状態でリリースする事が可能。飲み手が美味しいと感じるバローロを造るべきと考えています。
2023 ランゲ DOC “グリン” / カヴァロット
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