Barolo DOCG / Margherita Otto
バローロ DOCG / マルゲリータ オット
【タイプ】赤ワイン
【ブドウ品種】ネッビオーロ
【ヴィンテージ】2020年
【産地】イタリア・ピエモンテ州
【容量】750ml
【輸入元コメント】弊社ではピエモンテの若手生産者をいくつか取り扱っているが、どの生産者まだバローロのリリース前で、バローロの取り扱いはこのワインが初。若手生産者とは違った存在感と風格。前職から多くのバローロを飲んできたが、このワインが会社として初のバローロとは夢のよう。 2020年はアラン曰くバランスに優れた美しいヴィンテージ。適切な降水と日照がありブドウは健やかに成熟した。9月上旬は温暖でタンニンの成熟が進み、9月中旬以降は夜の気温がしっかりと下がったことで綺麗な酸を保つことができた。収穫は10月8-10日。香りは醸したチェリー、オレンジピール、ドライハーブ、メンソールなど程よい熟成を感じさせる複雑な印象。口に含むとより立体的に広がる。滑らかで緻密なタンニンと美しい酸が複雑に絡み合いながら余韻まで長く続く。満足感がありながらも気がついたらグラスが空いてしまう。
【醸造方法等】ジネストラ(モンフォルテ ダルバ)、セッラルンガ ダルバ、ヴィニャーネ(バローロ)、コステ ディ ローゼ(バローロ)の4つの区画。3.2 ha、グイヨ仕立て、アル カプレ、南向きまたは東向き、標高240-500mの4つの畑をアッセンブラッジョ。 収穫は手摘み。40-60 Lのコンクリートタンクにて10-14日間かけて発酵。発酵後40日マセラシオン。ワインを果皮から分離し、6-8日間の沈殿後、清澄しラッキングを行ってからマロラクティック発酵。大樽に移し34カ月熟成。ステンレスタンクに移し一日で瓶詰め。
【生産者】マルゲリータ オット【生産者について】マルゲリータ オットを手掛けるのはニューヨーク 近郊の街出身のアラン マンリー。スイス人の両親を持つ彼は、ワイン好きな祖父と父の影響で4歳ころからワインの味見をしていたという。大学で経済学を修 め、就職をしたアランだが彼も当然のようにワインを集めるようになる。「初めてバローロが僕のセラーに入った瞬間が、新たな人生の始まりだった。」そう語るアランはワインの中でも特にバローロに魅了され る。1995年以降、毎年バローロを訪れ、ブドウ栽培やワイン醸造、畑や生産者の特徴など自分の目で見て知 識と経験を増やしていく。 2008年、ついにワイン造りへの憧れが抑えきれなく なったアランはバローロの巨匠のひとり、ルチアーノ サンドローネに手紙を書き、収穫とワイン造りを学ばせてもらうことになる。それ以降毎年、秋から冬にかけて6-12週間ピエモンテに滞在し、エリオ アルターレ、バルトロ マスカレッロ、カヴァロット、マリオ マレンゴなど様々なワイン生産者の下で実際にブドウ収穫とワイン造りを経験する。 そして2011年、アランはついにイタリアへの移住を決断する。そのタイミングで彼に仕事のオファーをしたのが、彼に最も大きな影響を与えることになるマリア テレーザだった。 そこから10年間、バローロで最も偉大なワイン生産者のひとつバルトロ マスカレッロでマリア テレーザの右腕として栽培と醸造を行う。「様々な偉大な生産者のもとでワイン造りをさせてもらって、多くのことを学んだ。例えばルチアーノ サンドローネではセラーを清潔に保つことの重要性を学んだ。それは今のワイン造りにも大きく影響している。それでも自分の好きなバローロのスタイルはバルトロ マスカレッロなんだ。」 バルトロ マスカレッロで働くかたわら、知人の紹介で2012年にカスティリオーネ ファレットのペルナンノに0.1 haの畑を入手し、改装した自宅の地下で500Lの個人用ワインを造り始める。2014年の収穫後にセッラルンガ ダルバのヴィーニャ リオンダの横に0.2 haの畑を購入し、2015年に正式にワイナリー『マルゲリータ オット』を設立する。
アランのワイン造りを特徴づけるのは、アッセンブラッジョ(assemblaggio) である。「“ブレンド”と“アッセンブラッジョ”は似ているようで異なる。ブレンドは、各区画で発酵を行い、最終的に混ぜ合わせること。一方、アッセンブラッジョは最初から全てを混ぜて発酵させることだ。僕にとって、アッセンブラッジョこそ がバローロの伝統的な製法だと思っている。もちろん、ヴィンテージによってはこの方法ができないこともあるけれど、このスタイルをできる限り続けていきたい」とアランは語る。彼によると、現在アッサンブラージュのバローロのみを造っている生産者は、わずか2ワイナリーしかいないという。 アランにとって初めての畑であったカスティリオーネ ファレットのペルナンノMGAは2019年でリース契約が 終了し、現在は4つの区画に計3.2 haの畑を所有している。セッラルンガ ダルバ(ヴィーニャ リオンダ MGAに隣接する、彼が”ソット リオンダ”と呼ぶ区画)、モンフォルテ ダルバ(ジネストラ地区)、ヴィニャーネMGA(バローロ村)、コステ ディ ローゼMGA(バローロ村)で、ランゲ ネッビオーロとバロ ーロを造っている。
温暖のへのアプローチ
歴史的にピエモンテでは日当たりのよい南向きの畑が高く評価されてきた。しかし、温暖化に伴いそのような畑では過熟や酸の不足が懸念材料となっている。「ワイン造りにおい てはタンニンと種の成熟こそが重要。だから収穫のタイミングはブドウの糖度では判断 しない。糖度が上がりすぎないようにブドウ の剪定を大切にしている。」とアランは語 る。“アル カプレ“という伝統的な手法を用い、除葉はせずに全て手作業でワイヤーに巻き付け西側に葉を垂らす。そうすることで強い西日と雹からブドウを守ることができ、アランにとって理想的なブドウが収穫できる。
理想のバローロを表現する樽
アランのワインを飲むとタンニンの溶け込み具合と緻密さに驚く。その背景の一つに彼の使用するイタリア ボルツァーノのミッテルベルガー社の樽がある。家族経営の樽メーカーで生産量が少ないうえ、その品質の高さから著名なワイナリーからのオファーが絶えなく、長いウェイティングリストが出来ているという。 ボルツァーノが位置するアルト アディジェ州はドイツ語が主流になっており、 「ドイツ人よりもドイツ語へのプライドが高い」と言われる。両親がスイス人ということでドイツ語が母語であったアラン。幸運にもウェイティングリストの最上位に来ることができた。オーク材はフランスのアルザス産であるが、オークの成長が非常にゆっくりなため、年輪間が細かくバローロの熟成にとって理想的な 酸素の透過量となる。そのため、オーク熟成中にタンニンの結合が促され、若いヴィンテージでもきめ細かく溶け込んだタンニンを表現することができる。
2020 バローロ DOCG / マルゲリータ オット
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