Dolcetto d'Alba DOC / Cardelli Danilo
ドルチェット ダルバ DOC / カルデッリ ダニーロ
【タイプ】赤ワイン
【ブドウ品種】ドルチェット
【ヴィンテージ】2023年
【産地】イタリア・ピエモンテ州
【容量】750ml【コメント】
【醸造方法等】例年8月後半から9月前半に収穫。ステンレスタンクで野生酵母のみで発酵。低めの温度をキープしてドルチェットのフレッシュさを残す。28度を越えそうな場合はステンレスタンクごと冷却。発酵終了後に澱引きをして、そのままステンレスタンクで翌春まで熟成。
【生産者】カルデッリ ダニーロ
【生産者について】第 2 次世界大戦後の復興景気に沸いていた 1950年代のイタリア、ピエモンテ州。伝統的農業と、それに依存した生活は消え去り、産業の発達と共に村人はトリノ等の都市に移住していきました。当たり前のように各家庭で造られていたワインも工業化が進み、徐々に葡萄畑も減少していきます。バローロ セッラルンガから東に僅か 2km の位置にあるアルバレット デッラ トッレ村。人口約 300 人の小さな村の周辺も全て葡萄畑でしたが、1950年代に入ると手間のかかる葡萄畑からヘーゼルナッツ畑に変わっていきました。ピエモンテの家庭では伝統的なピエモンテ料理にネッビオーロを合わせる事はありません。ネッビオーロは特別なワインなのです。今も昔もピエモンテ人にとっての日常的ワインはバルベーラであり、ドルチェットなのです。ドルチェットはワインを造るだけでなく、高い糖度を利用してコーニャ(ジャム)を造ったりと、まさに暮らしと供にありました。リグーリアからバーニャ カウダの材料であるイワシを得たり、クーネオからピエモンテ牛を得る為の交易品でもあったのです。アルバレット デッラ トッレ村に生まれ育ち、家業を継いで農業に従事していたダニッロはこの地に根差したドルチェットの復活を目指し、2012年にカンティーナ カルデッリ ダニッロを設立。村周辺の丘にドルチェットとバルベーラを植樹します。ネッビオーロで偉大なワインを造るのではなく、かつての日常酒としてのドルチェットを目指したのです。
『バローロでは良い区画に高貴なネッビオーロが植えられ、ドルチェットは北斜面の下部や、標高が高過ぎて条件の悪い区画に植えられます。僕達の畑では南の太陽を充分に浴びる急斜面でドルチェットが育つ。最良区画のドルチェットなのです』
所有畑は全部で 5ha。バローロの一部であるシーニオ村を見下ろす 500~600mの南南西向き斜面にあるので昼夜の寒暖差が大きいのでドルチェットやバルベーラは果実だけでなく、シリアスさや立体感、ストラクチャーを与えてくれます。
ドルチェットはバローロのようなリッチな土壌でストレスを感じ、白いマールや砂を多く含んだ土壌ではノンストレス。また、オヴァーダやアルバレット デッラ トッレのように日照量が、それほど多くない環境を好み、早く熟す事が出来るのです。彼等の畑で栽培されているドルチェットは現在のドルチェットとは違います。病気に耐性があり、量産化、画一化されたクローンではなく、古くから、この地に残されてきたクローンをマッサル セレクションで残しています。この土地に合ったドルチェットなのです。一般的な量産ドルチェットは房が大きく、粒も大きく果皮が薄いので果汁が多く取れますが、ヴェジタルで薄く充実感がありません。カルデッリのドルチェットは粒が小さく、果皮が厚くなり、果汁は少なくなりますが、リッチで風味豊か。本当のドルチェットの個性です。バローロのネッビオーロのように、アルバレット デッラ トッレのドルチェットは土地の個性を素直に表現しています。そして、何故、ドルチェットがピエモンテの食文化、日常酒の中心的存在であったのかを教えてくれるはずです。こんなにも瑞々しくフレッシュでも古風な味わいのドルチェットが、まだ残っていたのです。
2023 ドルチェット ダルバ DOC / カルデッリ ダニーロ
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