Vino Bianco "Toc di Montone" / Nikolas Juretic
ヴィーノ ビアンコ “トック ディ モントーネ” / ニコラス ユレティッチ
【タイプ】白ワイン(オレンジワイン)
【ブドウ品種】フリウラーノ
【ヴィンテージ】2022年
【産地】イタリア・フリウリ ヴェネツィア ジューリア州
【容量】750ml
【輸入元コメント】ブルゴーニュやオーストリア、イタリアのワイン生産者を訪問した際に、彼らのセラーに飾ってあった空き瓶。一度見たら忘れないラベルだが、ワインを一度味わうと忘れられない。 青リンゴや白い花などの印象から始まり、口に含むと金柑やグレープフルーツなどビターさを連想させるフレーバーが広がる。口当たりは上質なオイルのようにすっと馴染むが、鋭い酸が旨味を伴いながら余韻まで長く続く。
【醸造方法等】クアリン ヒル、モントーナ、ダブルアーチ グイヨ仕立て、標高190m、森に囲まれた東向き斜面、植密度3,500本/ha、収量35 hl/ha、ポンカ土壌0.4 ha(石灰岩を豊富に含む砂岩および泥岩)。樹齢56 年。オーガニック栽培(認証)、ビオディナミ農法。収穫は手摘みで行い、バスケットプレス。 除梗せずに2日間マセラシオンを行う。発酵は野生酵母を使用し、コンクリートタンクにて温度管理せずに行う。そのまま自然にマロラクティック発酵を行い11カ月コンクリートタンク内で熟成させる。10カ月澱の上でエイジングを行い、無濾過無清澄で瓶詰め。10カ月の瓶内熟成を経てリリース。
【生産者】ニコラス ユレティッチ
【生産者について】フリウリ ヴェネツィア ジューリア州、スロヴェニアとの国境付近に位置するコルモンス。ニコラス ユレティッチはこの町で2018年からワイン造りを開始した。 2020年ヴィンテージが世界一のレストランとして知られるデンマーク コペンハーゲンのノーマにバイ ザ グラスで採用された。生産本数が約5,000本と限られているが、そのクオリティの高さに一躍注目を集める存在となった。たびたびメディアで「フリウリのライジングスター」と紹介される彼だが、その彼の根幹となっているのが剪定のプロフェッショナルとしてブドウ樹と向き合ってきたその経験だ。ブドウ農家出身のニコラス。幼いころからワイン生産者になることを志し、 学校では芸術と醸造学を修め、卒業後は地元コルモンスのいくつかのワイナリーで働いていた。しかし、そこでは様々な化学物質を使用してワインを修 正し調整していた。「創造性や調整の余地はまったくなく、指示に従ってレシピ通りに働くだった。」とニコラスは当時を振り返る。その後ニコラスが 居を移したオーストラリアはまったく逆で、ワイン産地としての歴史が浅いがゆえに常に議論や実験の余地があり、それがニコラスにとっては大きな刺激だったという。2013年に故郷に戻り両親のブドウを使用してワインを造ってみようと決心する。
「帰国して数週間後の日曜日の朝、馬に乗っているときに偶然マルコ シモニットに出会い、彼が仕事をオファーしてくれた。ブドウ樹の剪定のプロフェッショナルとして彼の会社(シモニット&シルク)は急速に成長していて、彼のコンサルティングとトレーニングの需要が非常に高かった。すぐにこの機会を試してみようと決心し、ワインを作るという願いをしばらく脇に置くことにした。」こうしてニコラスはシモニット&シルクと共に世界中を旅することになる。
2018年、ニコラスは家族のブドウ畑やコルモンスの樹齢の高いブドウ畑を手に入れ、念願の自身のワイン造りを開始。旧市街にある小さなセラーを借りた。「樹齢が50-110年という素晴らしい畑を入手することができた。とても幸運だ。その素晴らしいブドウを活かすのにはセラーよりも畑での仕事に注力しなければならない。畑の自然な生物多様性を保つために草刈は行わないし、カバークロップの植樹も行わない。畑に生えているのは自然に育ってきた植物なんだ。また畑の周りには多くの果物の樹がある。それによって畑に影を作り涼しさを保ってくれるんだ。」とニコラスは自身 のブドウ栽培のアプローチを説明する。直接日光を防ぐため除葉は一切せず、ブドウは全て日陰で成熟させる。それによりブドウはゆっくりと成熟し、十分なフェノリクスを蓄えることができる。 「収穫を遅らせることはブドウの糖、最終的なワインのアルコールが上がりすぎてしまう可能性はあるけど、それは心配してないよ。十分に熟してから収穫することによってインテンシティや複雑性を持ち、この土地を十分に表現したワインができると思うんだ。それに最終的に僕のワインはいつもバランスの取れたアルコール度数になるんだ。」
醸造に関してはフレッシュさと複雑さのバランスの取れたスタイルを目指し、過剰に酸素に触れる長期マセラシオンよりも短期間のマセラシオンやカルボニックマセラシオンを好む。「この地域には、スタンコ ラディコンのような長期マセラシオンを行い素晴らしいワインを造る偉大な生産者がいる。実際に僕も彼から色々なことを教えてもらっているし、彼のワインは大好きだよ。でも自分自身が目指すスタイルは少し違うんだ。ブドウ自体の特徴、フレッシュさを保ちつつ同時に十分なフェノリクスの成熟に由来する複雑さ、そのバランスを大切にしたい。」偉大な先人たちにリスペクトを払いながら、自身の道を追求している。「フリウリはステンレスタンクを使用したフレッシュなスタイルと、長期マセラシオンを行い酸化による複雑性を伴うスタイルがどちらも存在するユニークな地域だと思う。僕自身はその中間を目指しているんだ。フレッシ
ュさと複雑性が共存したワインを造りたい。」彼のワインを飲めばその言葉の意味がよく理解できる。ニコラスが働く“シモニット&シルク“はブドウ樹の仕立て や剪定に特化した企業。彼らのアプローチは、ブドウ樹が持つ自然の成長パターンを尊重し、植物の健康を保ちながら高品質なブドウを生産すること。ブドウ樹に過度なストレスを与えず、樹液の流れをスムーズに保つことで、樹木内部の健全な組織を維持することに重点を置く。また、剪定の際に行う切断面をできるだけ小さく保ち、感染症のリスクを最小限に抑えるよう工夫されている。こうした彼らの活動は世界中の著名なワイナリーに賛同を受け、多くのワイン産地で採用されている。また、彼らは教育活動にも力を入れており、世界各地でワークショップやセミナーを開催し、次世代のブドウ栽培者に技術を伝えている。ニコラスもシモニット&シルクの一員として10年、世界各地を 巡り、剪定技術の講習やワークショップを行っている。
2022 ヴィーノ ビアンコ “トック ディ モントーネ” / ニコラス ユレティッチ
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